日本語複合動詞データベース
1. 収録語彙について
本データベースには約2,700の複合動詞が収録されています。
収録基準
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一般性: 現代日本語で一般的に使用される複合動詞のみを収録
- 除外: 古語・古典語、特殊な専門分野や文学作品限定の語彙
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形式: 動詞連用形+動詞型のみを収録
- 除外:
- テ形のもの(読んでみる、止めておく等)
- 「に」を伴うもの(買いに行く)
- 形容詞+動詞型(暑がる、欲しがる)
- 名詞+動詞型(役立つ、名指す)
- 動詞+形容詞型(行かない、頼みやすい)
- 例外: 意味が慣習化したテ形(見て取る等)
- 除外:
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種類: 語彙的複合動詞のみを収録
- 除外: 統語的複合動詞(〜始める、〜かける、〜忘れる、〜合う等)
2. データベースの特徴
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幅広い利用者への対応
- 言語研究者
- 日本語学習者
- 言語処理研究者
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検索機能の充実
- 全体検索
- 前方検索
- 後方検索
- 多様な入力方式(ひらがな、漢字交じり、アルファベット)
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豊富なコンテンツ
- 意味定義と用例
- 多言語対応(英語訳、中国語訳、韓国語訳)
- 基本文型(格パターン)
- 語構造の分析
3. 語構造の分類
本データベース独自の特徴として、複合動詞の語構造を以下の4つに分類しています:
3.1 VV型(動詞+動詞)
- 2つの動詞が本来の意味と格関係を保持
- 「V1て、V2」「V1ながら、V2」などと言い換え可能
- 例:
- 踏みつぶす = 踏んでつぶす
- 押し開ける = 押して開ける
3.2 Vs型(動詞+補助的な動詞)
- V1は本来の意味を保持
- V2は補助的機能
- 例:
- 降りしきる(しきりに降る)
- 晴れ渡る(隅々まで晴れる)
3.3 pV型(接頭辞化した動詞+動詞)
- V1が接頭辞化
- 例:
- 差し迫る
- ぶっ飛ばす
- 打ち重なる
3.4 V(一語化)
- 現代では一語として認識
- 例:
- 落ち着く
- 思い出す
- 折り入る
4. データ入手方法
国語研リポジトリからダウンロード可能: https://repository.ninjal.ac.jp/records/2000261